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銀行とノンバンク、相互進出から融合へ

上限金利規制の統一に向けた考察、検討が始まった平成18年貸金業規制法・出資法改正への展望
本セミナーは終了致しました。
受講区分 会場
開催日時 2005-07-06(水) 13:30~16:30
講師 専修大学客員教授
新日本インテグリティアシュアランス株式会社
執行役員 経済産業省から出向
石川 和男 氏

株式会社ニッシン
常務取締役兼執行役員 財務部長
ニューヨーク州弁護士
野尻 明裕 氏

【石川氏】
89年、東京大学工学部卒業、通商産業省(現 経済産業省)入省。資源エネルギー庁石炭部、同庁公益事業部、生活産業局、環境立地局、中小企業庁、産業政策局などを歴任後、02年4月から商務情報政策局取引信用課課長補佐、03年7月から大臣官房、05年4月新日本インテグリティアシュアランス株式会社(新日本監査法人グループ)に出向し、執行役員就任、現在に至る。03年4月から専修大学客員教授。05年5月、野尻との共著による『銀行とノンバンクの融合 上限金利規制統一法の設計』(金融財政事情研究会)を上梓。その他著作等として、『ノンバンクの進化形"みなしバンク"』(野尻と共著、金融財政事情研究会)、「上限金利の統一を - ミドルリスク市場を育成」(日本経済新聞、経済教室、05年1月27日)、「郵貯・年金マネーで巨大なCP市場を創り出そう」(小島勝と共同執筆、金融ビジネス、04年12月)など。

【野尻氏】
91年東京大学法学部卒業、同年大蔵省(現 財務省)入省。主計局、国際金融局、通商産業省出向などを歴任後、00年理財局国債課課長補佐、02年金融庁監督局保険課総括課長補佐、03年7月財務省退官。同年8月株式会社ニッシン入社。04年6月同社取締役財務部長、現在に至る。94年米国ハーバード大学ロースクール修了。米国ニューヨーク州弁護士。05年5月、石川との共著による『銀行とノンバンクの融合 上限金利規制統一法の設計』(金融財政事情研究会)を上梓。その他著書として、『ノンバンクの進化形"みなしバンク"』(石川と共著、金融財政事情研究会)。

概要 大手都市銀行と大手消費者金融会社の合併型提携が実現するなど、銀行とノンバンク(貸金業者)とは、相互進出から協調、融合の段階に入ったといえる。本講演は、こうした最近の状況を踏まえ、今後大きな課題となると考えられる上限金利規制の統一について提言を行うとともに、政府や与党でも検討が始まった貸金業規制法・出資法改正への展望を示すものである。
銀行とノンバンクでは貸付上限金利が違う。銀行には民事規定である利息制限法(年15~20%)、貸金業者には刑事規定である出資法(年29%)が適用される。この2法は昭和29年に同時に制定されたものだ。この2つの上限金利の間は、民事上は無効であるが刑事罰が科せられるまでには至らない"グレーゾーン金利帯"である。
2法制定時には、「上限金利規制は本来一つであることが理想的だが、銀行と貸金業者の貸付金利とがあまりにもかけ離れているので、単一の上限金利規制は却って実情にそぐわない。2つの上限金利規制によって金利を抑制することは、変則ではあるが致し方ない」といった事情があった。
だが2法制定から50年余りが過ぎた現在、状況は大きく変化している。銀行と消費者金融会社との資本提携により、銀行本体による"グレーゾーン金利帯の市場"への進出が現実味を帯びてきている。"メガバンクとメガノンバンクの統合"への布石だと見てとれる動きだ。また、利息制限法の上限金利を超える金利での貸付を一定条件下の貸金業者の貸付だけに認めている特例制度が通用しなくなるような司法判断が目立ち始めた。このように様々な側面での状況変化が更に進めば、上限金利規制が2つも存在している状況を本気で見直さなければならなくなるはずだ。
本講演では、経済産業省から民間出向中の石川と財務省・金融庁官僚からノンバンク業界に転身した野尻が、銀行とノンバンクの垣根を越えた業界再編の動向なども踏まえながら、2つの上限金利規制の統一に向けた提示を行う。そして、平成18年に予定されている出資法・貸金業規制法改正に向けた一つの方向性を検討する。
セミナー詳細 1.「金利」のそもそも論
   ・金利と上限金利規制の関係

2.2法に関する再検証
   ・利息制限法と出資法の制定前後
   ・グレーゾーン金利帯の取扱い動向
   ・出資法上限金利引下げの経過
   ・2法間の差異

3.2法を巡る状況変化と今後の論点
   ・2法間の上限金利差の縮小
   ・銀行と貸金業者の融合への動き
   ・みなし弁済制度の空洞化傾向

4.新たな上限金利規制の在り方に関する一考察
   ・新たな上限金利規制の基本的在り方
   ・規制対象とする利息の定義
   ・上限金利とそれに係る元本額区分
   ・制度改革案の提示

5.質疑応答/ディスカッション

【ストック・リサーチ経営研究セミナー】

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