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企業価値を高めるガバナンス戦略

会社法を利用したモニタリング持株会社の提言、機動的な意思決定や効果的な内部統制システムなどを念頭に
本セミナーは終了致しました。
受講区分 会場
開催日時 2005-11-18(金) 13:30~16:30
講師 西村ときわ法律事務所
ニューヨーク州弁護士
臼田 啓之 弁護士

95年東京大学法学部卒。97年第一東京弁護士会登録・西村ときわ法律事務所入所、現在に至る。この間、コロンビア大学ロースクール卒業(LL.M.)、ニューヨーク州弁護士資格取得、ニューヨークの法律事務所勤務。2005年4月より中央大学法学部兼任講師(企業金融法)。M&A・企業提携や株主総会指導等の企業法務を主に取り扱い、取締役の責任論やコーポレート・ファイナンスに造詣が深い。主な著書として『M&A法大全』(共著、商事法務、2001年)、「譲渡制限子会社の活用で機動力を高める経営機構戦略-モニタリング持株会社の提案-」(ビジネス法務、2005年9月号15頁)がある。

概要 来年5月施行予定の会社法は、会社の運営について大幅な規制の緩和を認めるものであり、会社経営者はそれぞれの会社に相応しいガバナンス形態を用いることがより一層容易になった。
他方で、昨今の敵対的買収ブームやこれらを巡る議論の進捗の中で、公開企業の経営者に対する、株式市場、特に主要プレーヤーである機関投資家からの、企業価値・株主価値増大のプレッシャーはますます強くなってきている。
企業価値の増大及びこれに対する市場の信認を得るためのガバナンス戦略としては、大きく言うと、①経営意思決定を機動的に行うこと、②経営に対して効果的かつ効率的な内部統制システム(モニタリング・システム)を構築すること、③経営者のインセンティブと株主のインセンティブの方向を合致させ、エージェンシー問題を極小化すること、が考えられる。
本講演では、ガバナンス形態と企業価値との関連を、Law & Economics(法と経済学)やコーポレート・ファイナンス(企業金融論)の初歩的な議論や、日米の実証研究を紹介しながら解説するとともに、上記ガバナンス戦略を達成する方策の一つとして、会社法を利用した、モニタリング持株会社の提案を行う。
セミナー詳細 1.経営形態の変遷
   (1)コングロマリット・多角化
   (2)改革の断行:バブル崩壊とリストラ(選択と集中) ― 守りの経営
   (3)攻めの経営 ― 今後の経営戦略?
   (4)参考:米国
     ①コングロマリット・多角化
     ②不況と敵対的買収・LBOの隆盛
     ③買収防衛策の台頭・敵対的買収ブームの終焉とガバナンスの変更
     ④企業価値の増大と戦略的M&A(友好的なものに限らない)の増加
     ⑤エンロン事件等のスキャンダルと再生

2.ガバナンス形態と企業価値との関連
   (1)コングロマリットとガバナンスと企業価値との関係
   (2)改革(日本ではバブル崩壊からの復活、米国では敵対的買収の脅威からの脱却)の断行:
     大きな経営方針に対するトップ・ダウンにより、変化・改革の機動性を高める(経営者に大きな権限)
   (3)モニタリングの充実(米国):
     経営者の権限行使に対する、投資家代表としての外部取締役を中心とした
     取締役会(過半数は社外取締役)による監視
   (4)経営者に対するストック・オプションの付与:
     経営者のインセンティブと株主のインセンティブを可及的に合致させる
   (5)米国企業の企業価値増大(スキャンダルにもかかわらず)

3.日本企業におけるガバナンスの問題点
   (1)時間がかかる
   (2)モニタリングに対する体制未整備
   (3)社外取締役少ない
   (4)ストック・オプションがそれ程普及していない(インセンティブ付け)

4.現行商法を前提とした経営機構
   (1)監査役会設置会社
   (2)委員会等設置会社

5.会社法を利用したモニタリング持株会社型
   (1)会社法の改正点
   (2)具体的な内容
   (3)メリット(①機動性向上、②無用な株主代表訴訟リスクの軽減、③モニタリング機能の実効性強化)

6.質疑応答/ディスカッション

【ストック・リサーチ経営研究セミナー】

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