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金融機関を含む企業集団におけるグループコンプライアンスと態勢整備

「金融コングロマリット監督指針」等からみるウォールのあり方など
本セミナーは終了致しました。
受講区分 会場
開催日時 2008-07-15(火) 13:30~16:30
講師 TMI総合法律事務所
パートナー
中川 秀宣 弁護士

90年東京大学法学部卒業。92年弁護士登録(第一東京弁護士会)、長島・大野法律事務所(現 長島・大野・常松法律事務所)入所。97年シカゴ大学ロースクール法学修士(LLM)。98年ニューヨーク州弁護士資格取得。99年メリルリンチ証券会社東京支店、01年メリルリンチ日本証券、UFJストラテジックパートナー出向を経て、04年TMI総合法律事務所パートナーに就任、現在に至る。「会社法現代化がM&Aを変える」(週刊金融財政事情、05年)ほか執筆、寄稿等多数。

概要 銀行、証券、保険などの業態をまたいだグループ形態は、日本に進出した外資系企業だけではない。金融コングロマリットは日本のメガバンク等においても見られるようになった。こうした動きに対応して「金融コングロマリット監督指針」が定められるなど監督規制のあり方に変化が見られる。
かかる監督指針を見れば、単にグループを構成する個々の金融機関の自己資本の適切性やリスク管理態勢の適切性を監督するだけではなく、グループとしての経営管理の有効性、合算自己資本の適切性、グループ全体でのリスク管理態勢の適切性やグループ内取引やシステムリスク管理を含む広い意味でのグループコンプライアンス態勢の適切性まで意識されている。むろん、実際の適用の場面において、規模や複雑性といった個別事情を無視して一律に同等の監督基準が適用になるとは想定し難いが、今後、こうしたリスクの管理担当会社及び部署の明確化や実際の管理態勢等についても一段の注意を要することになる。
さらに、監督指針からは、規制のあり方としての兼任・兼職や情報遮断といった組織体制についても、認可されにくいであろう基準が見えてくる。
本講演では、上記の状況を踏まえ、金融機関を含む企業グループにおけるコンプライアンス態勢や組織体制のあり方について考察する。
セミナー詳細 1.金融コングロマリット監督指針の策定の背景
   (1)金融機関における業態間の融合の現状と今後の見通し
   (2)グループ相互間での資本かさ上げ、リスク集中、不適切な内部取引といった問題

2.監督指針の概説
   (1)金融コングロマリットの四類型
   (2)監督の目的とその手法
   (3)監督上の評価項目(4つの着眼点)
     (a)経営管理
       ・ガバナンス構造と有効的な内部監査態勢
     (b)自己資本の適切性
       ・単体としての自己資本の充実と合算ベースでの自己資本の適切性
     (c)リスク管理態勢
       ・リスクの伝播、偏在・集中に関する管理態勢
     (d)業務の適切性
       ・グループ内の利益相反やグループ内取引の健全性にも着目した法令順守態勢
       ・事務・システムリスク
       ・グループ危機管理
       ・顧客情報の利用と保護
   (4)監督にかかる事務処理上の留意点
     (a)海外監督当局との連係

3.有効適切なガバナンス構造やコンプライアンス態勢のあり方
   (1)経営管理会社と担当部署の明確化
   (2)持株会社/親会社の監督権能と子会社の経営の独立性のバランス
   (3)グループ全体を統括的に見る内部監査部門
   (4)適切なファイアーウォールによる顧客情報の保護と利用
   (5)利益相反・優越的地位の濫用(リスクある取引の押付け等)といったグループ経営の弊害防止

4.金融コングロマリット以外の金融商品取引業者をグループ内に含む
    企業グループにおける適切なガバナンス構造やコンプライアンス態勢のあり方
   (1)子会社である金融商品取引業者に要求される独自の人的組織体制
   (2)持株会社/親会社の監督権能と子会社である金融商品取引業者の独立性のバランス
   (3)適切なファイアーウォールによる顧客情報の保護と利用

5.質疑応答/ディスカッション

【ストック・リサーチ経営研究セミナー】

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