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【金融実務基礎講座】数理ファイナンスの基礎

2項モデルの具体的なイメージから基礎を理解、デリバティブ評価や年金のリスク評価などへの利用のために
本セミナーは終了致しました。
受講区分 会場
開催日時 2010-08-19(木) 13:30~16:30
講師 明治大学大学院
グローバルビジネス科学研究科 教授
乾 孝治 氏

東京工業大学工学部卒、筑波大学経営政策科学研究科修了、東京大学数理科学研究科博士課程単位取得退学。大手生命保険会社にて資産運用モデル開発、保険・年金のALM等に従事。京都大学経済学研究科大和証券寄付講座助教授を経て現職。専門は金融工学と投資工学。ニッセイ基礎研究所客員研究員、PanAgora Asset Managementにてグローバル債券モデル開発、Societe Generale証券にて日本株ロング/ショートモデル開発などを経験。著書・論文には『金融リスクの計量化・クレジットリスク』(98年、きんざい、共著)、『ファイナンシャル・リスク・マネジメント』(朝倉書店、00年、共著)、『金融モデルにおける推定と最適化』(朝倉書店、02年、共著)、「Markovian Framework in Multi-Factor Heath-Jarrow-Morton Models」(Journal of Financial and Quantitative Analysis、98年、共著)、「On the Significances of Expected Shortfall as a Coherent Risk Measure」(Journal of Banking and Finance、05年、共著)などがある。日本年金保険リスク学会、日本価値創造ERM学会、オペレーション・リサーチ学会、日本金融証券計量工学会などの会員。

概要 本講義は、数学を必ずしも得意としない実務家をも対象に、デリバティブ評価や数理ファイナンスにおける基礎的な方法の意味を理解し、併せて将来の発展的な学習に役立つ基礎知識の習得を目的とするものである。
数理ファイナンス理論を学ぶためには、確率論の基礎知識は必要不可欠であるが、そもそも学習の目的が数学的議論ではないにも拘らず、その理解に対するハードルが高いために、学習の初期で躓いてしまい目的を達せないままに断念する、といったことも少なくないようである。
本講義は、こうした実情を踏まえ、大手生命保険会社等での経験を有する講師により、あくまで実務への活用を目的として、数学的な議論を「避ける」のではなく「後回し」にすることを特色とする。すなわち、具体的な2項モデルによる価格付けを理解した後に、モデルで仮定されている条件や計算プロセスの詳細について確率論からの解釈を事後的に与える。具体的なイメージが抽象的な数学概念と結びつくことで、理解を促すものである。
デリバティブ価格評価の方法としてはリスク中立化法(マルチンゲール法)を中心的に扱うが、伊藤の公式による偏微分方程式の方法についてもイメージが容易な離散的な表現との関係で説明する。また、ブラック-ショールズモデル等の基本的なモデルを利用する上での注意点や限界についても、具体例を示しつつ言及することとする。
セミナー詳細 1.イントロダクション
   ~講義に必要な数学、ファイナンスの基礎知識の確認

2.2項モデルによるオプション評価事例
   ・ツリーの作成と無裁定条件
   ・複製ポートフォリオとオプション価格
   ・経路依存型オプションの評価

3.2項モデルによるデリバティブ評価の正当性
   ・確率空間としての解釈
   ・完備性とリスク中立確率
   ・条件付期待値とマルチンゲール

4.2項モデルによるBSモデルの考察
   ・ツリーの作成方法
   ・偏微分方程式による価格付け方法との関係

5.応用事例
   ・超長期の株価・金利モデル-年金のリスク評価
   ・モンテカルロ・シミュレーションによるリスク評価

6.質疑応答

【ストック・リサーチ経営研究セミナー】

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