バーゼルⅡ改訂とリスク管理強化の方向~バーゼル委員会市中協議文書(2009年7月,12月)の概要と影響、「カウンターパーティ・リスクの取扱いの強化」等の計量モデル~ |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2010-09-02(木) 13:00~16:30 |
講師 |
アクセンチュア株式会社 金融サービス事業 プリンシパル 市瀬 国興 氏 東京大学工学部卒業、同大学院修士、スタンフォード大学経営工学修士取得 新日本製鉄入社 コーポレートモデルを中心にシステム企画に従事後、金融サービス事業に転向 長信銀・大手都銀を中心にデリバティブの商品開発 ・フロントオフィス業務支援システムを多数経験し、コンサルティング業界に転職 ’1995年アクセンチュア’2001年アーサーアンダーセン’06年アクセンチュアとリスク管理 コンサルティングに従事 90年代は大手金融機関数行でバーゼルⅠ市場リスク管理、 00年代は15行以上の 都地銀で信用リスク管理を中心としたバーゼルⅡコンサル ティング に従事 |
セミナー詳細 |
新規制開始時点から既にサブプライム問題の拡大が懸念される環境下にあったバーゼルⅡは、早期改訂が検討され、2009/1に市中協議文書が公表された(7月改訂)。しかしその直前にはリーマンショックで世界的金融危機が顕在化し、バーゼルⅡは更に強化を余儀なくされた。2009/7の残課題も含めて2009/12には市中協議文書がまとまり、2012末を目処に実施が予定されている。2010/6/18のバーゼル委員会文書によれば、トレーディング勘定の新規制は2011末実施で合意され、所要自己資本は従来の3~4倍と明記されており、如何に影響の大きな改訂であるかを物語っている。本セミナーではバーゼルⅡ規制開始以降の改訂を解説すると共に、CVA導入、3種のIRC、sVaR等の定量的モデルに触れることで理解を深めることを狙いとする。 講義詳細 1.バーゼルⅡ改訂の概要(1)2009年1月,7月の市中協議文書の概要 (1)内部モデル方式における市場リスク管理強化 ~ストレスVaR、IRC、証券化商品IRC、コリレーショントレーディング商品IRC、固有リスク掛目の強化 (2)規制強化の概要:第一の柱 ~再証券化エクスクスポージャー、外部格付利用要件の強化、適格流動性補間取扱強化 (3)規制強化の概要:第二の柱 ~銀行横断的ガバナンス、オフバランス取引・証券化業務リスク捕捉強化、リスクvs収益管理のインセンティブ構造等のほか「健全なストレス・テスト」強化の強調 (4)上記に対応した第三の柱強化 2.バーゼルⅡ改訂の概要(2)2009年12月の市中協議文書の概要 (1)世界的な銀行危機に対する包括的な対応の概要(2009/9) (2)自己資本の質、一貫性・透明性の向上 ~金融危機との関係、新しい自己資本構成と要件、新規制の枠組み (3)カウンターパーティリスク取扱いの強化 ~金融危機との関係、見直し項目の概要、資産相関強化、CVA導入、CCPの扱い、担保管理強化、誤方向リスク対応、Iバックテスト強化 (4)外部格付への過度の依存の見直し ~金融危機と外部格付けの問題、3つの負のインセンティブと対応法 (5)レバレッジ比率規制の概要 ~導入の背景、レバレッジ比率の定義と要件 (6)プロシクリカリティの抑制 ~金融危機との関係、4つの施策と内容説明 (7)流動性規制の導入 ~経緯と二つの指標の導入、指標LCR、NSFRの目的と計算法 3.定量的モデルの側面からの解説 (1)銀行勘定リスクvsトレーディング勘定リスクの計量面での対比 (2)ストレスVaRの影響 (3)追加的デフォルトリスクI:証券化以外のIRCモデル (4)追加的デフォルトリスク:証券化のIRCモデル (5)追加的デフォルトリスク:コリレーション・トレーディングのIRCモデル (6)資産相関の強化 (7)期待エクスポージャー方式等のモデル (8)CVAの債券相当アドオン方式モデル (9)CVAの一般的なモデル:従来の固有リスク(債券信用スプレッドリスク)との差異 (10)誤(逆)方向リスクの計量モデル:従来のポテンシャルエクスポージャーとの差異 (11)マージン・ピリオドの強化 (12)LCR、NSFR 4.その他 (1)AIRB事法LGD推計相当の必要性 (2)保険IFRS(負債サイド評価)との対比 (3)SolvencyⅡのリスク計量との対比 5.質 疑 応 答 ※ 録音・ビデオ撮影・PCの使用等はご遠慮下さい |
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