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海外進出の税務リスクマネジメント

近時の日本企業の戦略や東日本大震災後の環境からますます重要視される海外M&A等を念頭に
本セミナーは終了致しました。
受講区分 会場
開催日時 2011-08-19(金) 13:30~16:30
講師 税理士法人プライスウォーターハウスクーパース
シニアマネージャー ドイツ税理士
天野 史子 氏

01年PricewaterhouseCoopers AG(デュッセルドルフ/ドイツ)入社、05年3月ドイツ税理士登録、08年1月から税理士法人プライスウォーターハウスクーパースに出向、現在に至る。ドイツ語、英語、イタリア語に堪能。7年間、ドイツで日本企業の海外進出を税務面からサポートし、現在は東京・大阪を中心に日系大企業の対外投資にかかる税務を専門とする。著書として『欧州付加価値税ハンドブック』(09年、中央経済社)など。96年東京大学法学部卒、99年ロンドンスクールオブエコノミクスにて欧州社会政策修士号取得。

概要 従来、日本企業の潤沢なキャッシュを反映し、その吐き出し口として海外M&Aが活発化してきた感があるが、最近の傾向として、より長期的な視野に基づく重点分野への選択的投資のひとつとしての日本企業による戦略的買収が増加しているように見受けられる。加えて、東日本大震災がサプライチェーンに深刻な打撃を及ぼすに至り、海外進出、海外M&Aはなお一層、重要な戦略的課題となるといえよう。
このような投資は、海外現地での長期的な活動を前提としているため、従来のようにタックスデューデリジェンスによる静的なタックスリスクの把握では不十分であり、よりダイナミックで長期にわたる継続的なタックスリスクの観察が必要となる。また、シナジーを最大化することが重要な戦略的買収ゆえに、既存の海外子会社との整理統合も重要な課題である。
本講演では、このような視点から、M&Aに始まる一連の海外投資に伴い発生する税務問題を鳥瞰的に取り上げる。
税務の主眼はコンプライアンスの担保であり、コンプライアンス違反によって生じるタックスリスクの最小化が最重要課題であるが、激化する国際競争の中で、それをさらに一歩進めた「実効税率マネジメント」が注目されている。連結ベースでの税負担を最小化する実効税率マネジメントの巧拙が、海外投資から生み出されるネットキャッシュを大きく左右し、コスト削減に大きな役割を果たす。一例を挙げれば、海外M&Aにより今後ますます日本本社は知的財産権の使用許諾により本社費用を賄わなければならないケースが増えると予測されるところ、配当源泉税と並んで使用料に対する源泉税は源泉地国によって大きく異なり、より有利なストラクチャーを組むことで税引前利益の二桁代の増加を達成することも可能である。こうした様々な実効税率マネジメントのためのアイディアに関し、応用可能な基本的な思考パターン、その際のリスクや留意点などについて具体的な例示も交えて解説する。
セミナー詳細 1.タックスデューデリジェンス

2.ストラクチャリング
   (1)タックスヘイブン税制の問題点
   (2)利益還流の留意点
   (3)既存海外子会社に与える影響

3.ポストディールのタックスリスクマネジメント
   (1)日本国内税務の諸論点
   (2)海外税務の諸論点
   (3)移転価格税制
   (4)間接税・VAT

4.実効税率マネジメント
   (1)「実効税率マネジメント」とは
   (2)ベンチマークスタディ
   (3)グループ内ファイナンスとキャッシュの再分配
   (4)デットプッシュダウン
   (5)持株会社の利用
   (6)バリューチェーントランスフォーメーション

5.質疑応答/ディスカッション

【ストック・リサーチ経営研究セミナー】

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