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中国投資を巡る最新トピックのアップデートと実務への影響

グループ内資金管理、VIEスキーム、人民元建て資金調達・投資を中心として
本セミナーは終了致しました。
受講区分 会場
開催日時 2012-03-14(水) 13:30~16:30
講師 長島・大野・常松法律事務所 中倫律師事務所出向中
若江 悠 弁護士

02年東京大学法学部卒業、03年司法研修所修了、09年Harvard Law School卒業。03年弁護士登録(第一東京弁護士会)、10年ニューヨーク州弁護士登録。現在、長島・大野・常松法律事務所アソシエイト、10年より提携先の中倫律師事務所北京オフィスに出向中。近時の講演として、「企業集団における資金調達に関する日中比較」(11年9月、中日民商法研究会)、「外資系企業の中国における新しい資金調達方法」(11年7月、NO&Tと中倫の共催セミナー)等。

概要 本講演では、中国投資に関し、特に投資性公司を用いたグループ内資金管理、VIEスキーム、人民元建て対内直接投資といった最新のトピックを中心に解説する。中国の証券、外貨管理、外商投資、オフショア投資といった分野は、複雑な規制がつねに大きく変化しているうえに、実務上の扱いや対応については正確な情報の取得が困難である。キャピタルマーケッツの業務に主に従事した後、中国北京の現地律師事務所に長期出向中の講師が、日々実際の案件及び同僚中国弁護士との共同作業・交流を通じて知り得た最新の実務動向を共有する。
既に中国投資を行ってきた日本ほか外資系企業等にとって、個別の新規設立や買収もさることながら、設立した中国拠点の効率的な管理・運用が大きな課題となっている。投資性公司制度は、外貨管理等の厳格な規制に服している外資系企業が効率的なグループ経営を実現するために制定された制度であるはずだが、2011年、当局の制度(解釈?)変更(国家外貨管理局資本項目管理司「外商投資性公司の再投資に関係する験資確認関連問題の操作手引きに関する通知」匯資函[2011]7号)により、実務に大きな混乱が生じた。この点を切り口として採り上げ、中国におけるグループ内資金管理に関連する検討を行う。
2011年、アメリカ上場中国企業の会計不正疑惑とアリペイ(支付宝)の株式譲渡問題を契機に、海外上場する中国企業の多くが用いてきたVIEスキーム(Variable Interest Entities、外国法人が中国事業法人を契約により支配する仕組み)が注目を浴びた。同スキームには、当初からその合法性、執行可能性やガバナンスの問題は懸念されていたものの、中国を代表するネット企業が次々にこれを用いてNASDAQ等の海外市場で上場し、その際は中国の律師事務所による意見書を取得する実務が浸透していた。しかし、上記事件を契機に、中国政府内部で同スキームに対し批判的な意見が表明され、さらに商務部が「外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査制度の実施に関する規定」(商務部公告2011年第53号)において同スキームを用いた買収も安全審査の対象に含める旨規定したことから、VIEスキームの今後について不安が高まった。中国企業に対する投資、またはVIEスキーム類似の契約によるコントロールを用いた投資といった局面に影響があり、その最新の議論を紹介する。
人民元の国際化も2011年に大きく進展した。人民元建ての貿易決済の試験実施が拡大しその実績が積み上がるとともに、香港オフショア市場におけるディムサム債について日本企業による複数の発行例もみられている。それらオフショアで外国企業が取得した人民元の中国境内投資についても関連規則(商務部「クロスボーダー人民元直接投資関連問題に関する通知」(商資函[2011]第889号)等)が公表され、早速許認可実務が始まっている。同制度の動向や実務上の注意点を紹介するとともに、今後中国国内で直接資金調達を行うことの可能性についても触れる。
最後に、中国企業との資本提携に基づく中国市場への進出について、講師の実務上の経験も踏まえて注意点を述べることとする。
セミナー詳細 1.中国でのグループ内資金管理:外商投資性公司をめぐる混乱とその解決方法
   (1)国内所得の再投資に関する外貨管理局7号通達により生じた問題
   (2)国内借入れの国内再投資の禁止明文化
   (3)グループ内資金調達の実現方法(中国国有企業グループに対するシンジケートローンを例として)

2.VIEスキームに対する規制強化?
   (1)VIEスキームの概要と伝統的な活用方法(「レッドチップ」)
   (2)活用範囲の拡大
   (3)商務部の安全審査制度規定と政府内での検討状況
   (4)実務上の対応
   (5)補論:工信部のライセンス実務の現状と見通し

3.人民元建て資金調達と投資
   (1)人民元建て貿易決済の拡大
   (2)香港市場での人民元建て社債発行(ディムサム債)の制度と発行例
   (3)活用方法:「境外人民元」による対内直接投資の手続と制約
   (4)中国境内での資金調達?

4.中国企業との資本提携

5.質疑応答/ディスカッション

【ストック・リサーチ経営研究セミナー】

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