金融業界を取り巻く秘密計算技術の概要とユースケース

~プライバシーと企業機密を守りながら安全にデータ活用を実現する注目の技術~
受講区分 オンライン
開催日時 2023-10-25(水) 13:30~16:30
講師 NRIデジタル株式会社
中島 広志 氏
株式会社野村総合研究所
外園 康智 氏 

【中島 広志 氏】
(なかしま ひろし)
エキスパートアプリケーションエンジニア
経歴:2014年株式会社野村総合研究所に入社。大手通信事業者向けID・決済サービスのシステム開発に、アプリケーション・エンジニア、システム・アーキテクトとして従事。2020年より、NRIデジタルに出向し、同事業者向けコールセンタフロントシステムの開発を推進。並行して、秘密計算技術に関する調査・研究・事業化検討を推進。

【外園 康智 氏】
(ほかぞの やすのり)
チーフリサーチャー
経歴:2000年株式会社野村総合研究所入社。企業向けデジタル化コンサルティングおよび、言語処理・人工知能の研究とソリューション開発に従事。
2018年、2019年連続で、人工知能学会SWO研究会主催のナレッジグラフ推論チャレンジコンテストで最優秀賞受賞。2021年から2023年 CRYPTREC(Cryptography Research and Evaluation Committees)高機能暗号委員。 

概要 近年、プライバシー強化技術(プライバシーテック)として秘密計算という技術が金融・産業などの各分野で注目されています。秘密計算(秘匿計算とも言われます)とは、「データを暗号化したまま計算するプライバシー保護技術」です。秘密計算では、データオーナーがデータを暗号化した上で、分析・計算する側へ渡し、分析の過程では暗号化が一度も解かれることなく計算され、計算結果のみが出力されます。消費者視点では、分析時のデータが暗号化されたままなのでプライバシーが保護され安心である、事業者視点では、安心して企業間でのデータ利活用が可能となる、企業間データ利活用の際に自社データ(企業機密)を他社が不正に利用・流出させるリスクが無くなる、などのメリットがあります。この技術を活用することで、企業間(金融機関同士など)のデータを連携させたデータ分析の促進が期待されます。
また日本銀行は2022年9月に「プライバシー保護技術とデジタル社会の決済・金融サービス」のレポートを出しています。当セミナーでは、この秘密計算の概要と、秘密計算をデータ分析に活用することで得られる効果、金融・産業分野などでの事例とユースケースについて解説いたします。

【本セミナーで得られること】
・秘密計算技術に関する基礎的な知識と理解
・国内外の秘密計算技術への取り組みから今後のデータ利活用事業検討への参考になる

【推奨対象】
金融機関のシステム企画・開発、IT部門、経営企画、マーケティング部門、リスク管理部門、システム会社、事業会社、秘密計算技術についてこれから知りたい方
詳細 1.秘密計算とは
(1)秘密計算の歴史と背景
(2)秘密計算の概要
(a)暗号化(秘匿化)したままの状態で計算を実行する技術
(b)一般的な暗号化との違い
(3)Federated Learningの概要

2.秘密計算の方式と仕組み
(1)秘密計算の各種方式
(a)完全準同型暗号方式
(b)ガーブルド回路方式
(c)MPC(Multi-Party Computation)方式
(d)TEE利用方式
(2)MPCベース秘密計算の基本原理
(3)プライバシー保護とデータ活用の両立
(4)秘密計算活用時の制約・懸念事項
(5)秘密計算を用いた統計/AIモデル構築の可能性と課題

3.国内外での取り込み状況
(1)国内企業の取り組み状況
(2)スタートアップの取り組み状況
(3)政府の取り組み状況
(4)海外の取り組み状況

4.ユースケース
(1)NRIが考えるユースケース&デモ
(2)国内外の事例・ユースケース例(銀行、証券、保険、不動産、医療、デジタルマーケティング、IoT、公共利用など)

5.質疑応答
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