賃貸住宅ローンにおけるリスク管理の高度化 ~金融庁金融行政方針対応実務のアップデート~ |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2018-10-16(火) 13:30~16:30 |
講師 |
プロモントリー・フィナンシャル・ジャパン プリンシパル 足澤 聡 氏
北海道拓殖銀行勤務を経て、2000年4月財務省関東財務局に入局 以降金融庁出向を含め、一貫して金融検査に従事 金融庁出向時は地方銀行の査定・信用リスク担当官として不良債権処理を主導、関東財務局に復帰後は、特別金融証券検査官として地方銀行や大規模信金等の検査主任を歴任 退官後、15年4月よりプロモントリー・フィナンシャル・ジャパンのコンサルタントとして、金融機関等へのコンサルティング業務に従事 |
開催地 | カンファレンスルーム(株式会社セミナーインフォ内) |
概要 | ここ数年、地域金融機関の貸出は、資金需要の低下から企業向け貸出が低迷している中にあって、貸出全体をけん引しており、賃貸住宅ローンの貸出金に占める割合も増加傾向を続けてきたが、ここにきて変化の兆しも見え隠れしている。 賃貸住宅ローンは事業性貸出の一つであるが、審査・期中管理ともに、企業向け貸出とは異なり物件(案件)単位の管理が必要と言われている。 物件毎の安全性指標としては、DSCR(Debt Service Coverage Ratio)やLTV(Loan to Value)が広く知られており、多くの金融機関が既にこうした管理指標を取り入れているが、入口審査に限定されているという話をよく耳にする。こうした状況を踏まえ、DSCRとLTVによる管理手法が生まれた背景を説明し、予兆管理への応用に向けた課題等について、取組み事例を紹介しながら解説を行う。 また、ハウスメーカー等による「一括借上げシステム」(サブリース)を巡っては、これまでも問題が指摘されてきたが、サブリース=家賃保証であるという誤解から多くの問題や混乱へと繋がっている。サブリース契約の仕組みと問題点を論理的に分かり易く解説していく。 |
詳細 |
1.はじめに ~賃貸住宅の需給動向と賃貸住宅ローンの現状 2.賃貸住宅ローンに対する当局の課題認識 (1)新体制下における金融当局の考え方 (2)日銀システムレポートにみる通貨当局の考え方 (3)事業性評価貸出と賃貸住宅ローンの接点 3.賃貸住宅ローンのリスク特性 (1)企業向け貸出と賃貸住宅ローンの違い (2)不動産賃貸業のリスクとリターンとは (3)年商対借入倍率と金利上昇リスクの関係 (4)不動産賃貸業のキャッシュフローに対する二つの考え方 (5)経営分析の起点となる不動産純収益 4.ノンリコース・ローンの仕組みとDSCR・LTVの関係 (1)ノンリコース・ローンにおける物件(案件)単位の管理 (2)ノンリコース・ローンの財務制限条項(コベナンツ)とは (3)財務制限条項(コベナンツ)の持つ意味と代表な指標について (4)DSCRは債務償還余力を測るリスク指標 (5)LTVはデフォルト時の損失度合いを表すリスク指標 (6)バーゼルIIIの最終適用段階におけるLTVの位置付け 5.賃貸住宅ローンの融資期間 (1)法定耐用年数と経済耐用年数の違い (2)資本的支出(CAPEX)と修繕費(OPEX)の本質的な違い (3)経済耐用年数と資本的支出(CAPEX)の関係 (4)中古物件の融資期間を巡る論点 6.収益還元評価をベースとする不動産の価値 (1)原価法、取引事例比較法とのアプローチの違い (2)収益還元評価とEBITDAを用いた企業価値算定との類似点 (3)割引率(キャップレート)を決定する要因とは (4)直接還元法とDCF法による算定法の違い 7.入口審査におけるストレステストと水準設定 (タイプ別による経年減価率の違い、金利上昇リスク、空室率) (1)タイプにより異なる経年減価率 (2)金利上昇によるキャッシュフローへの影響 (3)トレードオフの関係にある賃料水準と空室率 8.予兆管理、ポートフォリオ管理への応用 (1)リスクファクターに基づくDSCRのデッドクロス発生時の将来予測 (2)デッドクロス時点におけるLTVの算定と将来予想損失額の見積り (3)将来予想損失額の現在価値への割引によるリスク量の把握 (4)悪化予兆程度の把握による、重点的なリスク管理への展開 9.サブリースを巡る問題 (1)賃貸住宅経営への参入障壁を低めた「一括借上げシステム」(サブリース) (2)サブリースの構造と借地借家法の関係 (3)サブリース=家賃保証という誤解が生じる背景 (4)サブリースによる賃貸住宅経営は事業か投資か? 10.質疑応答 ※ 録音、ビデオ・写真撮影、PCの使用等はご遠慮ください |
お問合わせ |
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