「マイクロクレジット」の事業化に向けて 収益事業としての可能性と想定されるシナリオ、改正貸金3法や「日本版グラミン銀行」構想などの最新動向を交えて |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2008-03-13(木) 13:30~16:30 |
講師 |
新日本パブリック・アフェアーズ株式会社 上級執行役員 東京財団研究員 専修大学客員教授 石川 和男 氏 89年東京大学工学部卒業、通商産業省(現 経済産業省)入省。資源エネルギー庁石炭部、同庁公益事業部、生活産業局、環境立地局、中小企業庁、産業政策局などを歴任後、02年4月から商務情報政策局取引信用課課長補佐、03年7月から大臣官房総務課政策審議室、05年4月より新日本インテグリティアシュアランス(新日本監査法人グループ)執行役員、07年4月より新日本パブリック・アフェアーズ(同グループ)上級執行役員、現在に至る。03年4月から専修大学客員教授(兼務)。06年9月から東京財団研究員(兼務)。著作として『超ギガバンク・メガ公庫の未来戦略』(共著、時事通信出版局)、『年金・郵政マネーが日本を救う!』、『銀行とノンバンクの融合』、『ノンバンクの進化形"みなしバンク"』、(いずれも共著、金融財政事情研究会)、『多重債務者を救え!』(PHP研究所)、「政策金融改革の本旨貫け 民業圧迫を避けよ 高リスク融資、証券化柱に」(日本経済新聞、経済教室、07年5月23日)、「貸金業 新たな制度設計を」(日本経済新聞、経済教室、06年3月14日)、「借入れ難民をどう救うか 日本版グラミン銀行創設を急げ 血税を使わずとも破産・倒産は防げる」(日本の論点2008)ほか多数。 |
概要 | 貸付上限金利を引き下げ、貸付総額を抑える改正貸金3法が09年末に全面施行の予定だが、帝国データバンクによると、施行を控えて貸金業者が与信審査を厳格化したため、中小企業の資金繰りが悪化して倒産が急増し、個人向けでは新規借入ができないため自己破産など債務整理の相談が激増しているのが実状である。与信審査厳格化により借入できなくなる企業や個人が増えることは十分予見されていた。与信すべきでない資金需要者に対しては、資金を供給してはならない。必要以上の資金供給は債務者にとって何ら救いにならず、周囲の人々も含めた破滅への落とし穴になることもあり、過剰貸付(借り手からすれば過剰借入)は厳に慎むべきである。 問題は、高リスクであっても過剰借入ではなく本来なら借入可能な資金需要にまで与信審査の厳格化による影響が波及し、不要な企業倒産や個人破産を誘発することであり、"借入難民"の発生を防ぐには、改正3法の立法趣旨である多重債務問題の解決だけでなく、より広く高リスク層への適切な与信システムとして『大規模かつ広範な資金的安全網』を準備しておくことが必要となる。 この点でバングラデシュのグラミン銀行による「マイクロクレジット」(貧困層向け小口無担保融資)が注目される。日本でもこれを参考とした高リスク層向け与信モデルの普及を望む声は多く、政府・多重債務者対策本部は、与信後のモニタリングなどを前提として、返済能力が見込まれ、多重債務問題の解決に資する場合に限って低利貸付を行う主体としての『日本版グラミン銀行』モデルを広げていくことを提言している。 本講演では、日本において今後、無用な信用収縮が起こらないような安全網(セーフティネット)を持続可能な事業モデルを基にして展開していくには、どのような環境整備が必要か、どのようなプレーヤーの登場が必要か、そのための金融界の役割は何か等々について検討する。 |
詳細 |
1.マイクロクレジットとは? ・バングラデシュのグラミン銀行の事業(各種報道資料等より) 2.日本における現状の議論と可能性は? (1)福祉事業的取組の事例(国・自治体の福祉事業、生協、NPOなど) (2)「日本版グラミン銀行」構想に係る政府(多重債務者対策本部)の提言 (3)改正貸金3法の最新動向 (4)政府系金融機関改革の最新動向 3.収益事業としてのマイクロクレジットが成立するためには? (1)資金調達の在り方 (2)信用供与の在り方 (3)債権回収の在り方 (4)サブプライム層へのケアの在り方 4.今後想定されるシナリオは? (1)福祉事業的取組の展望 (2)09年の貸金3法施行前見直しに向けた議論との関係 (3)改革後の政府系金融機関との関係 (4)銀行、証券、保険など民間金融機関への期待 5.質疑応答/ディスカッション 【ストック・リサーチ経営研究セミナー】 |
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