保険会社のソルベンシーⅡ、IFRSへの統合的な対応 規制や内部管理高度化への効果的・効率的な対応策とは、銀行のバーゼルⅡ対応の実績からの示唆などを交えて |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2010-10-12(火) 13:30~16:30 |
講師 |
株式会社プロティビティジャパン アソシエイトディレクタ 谷口 清貴 氏 株式会社プロティビティジャパン マネージャ 金 壮賢 氏
【谷口氏】 |
概要 | 保険業界には新たな規制あるいは規制を超えた様々な動きがある。経営管理の大きな枠組みとしてのソルベンシーⅡに加え、国際財務報告基準(IFRS)、市場整合的な価値評価(MCEV)、統合リスク管理(ERM)等であるが、その方向性はいくつかの本質的に共通な原理・原則に基づいている。これらは健全性と成長性との両立のための、目指すべき経営管理の方向性とも一致しているため、一連の動きに向けた態勢整備には多大な負荷と期間を要するものの、単に当局対応としてではなく、競争優位につなげるチャンスと捉えるべきである。 これらには共通な部分がある一方、規制毎に固有の部分もあるため、両者を認識することが効果的・効率的な対応への出発点となる。さらにソルベンシーⅡは、銀行業界におけるバーゼルⅡ規制との類似性が強く、その経験・事例を活かせる部分も多い。 2012年10月予定のEUにおけるソルベンシーⅡ導入が迫るなか、QIS5が実施され、また、国内でも近時、ソルベンシー・マージンに関する金融庁監督指針の規定、保険業法施行規則改正、連結ベースのソルベンシー規制導入といった動きが目立つ。一方で、銀行におけるバーゼルⅡ対応の過程では、特に内部モデル用の倒産データ・回収データの収集・整備等において長期間にわたり困難な作業を強いられ、また昨年12月の改定案ではさらに取引全般に関わるキャッシュフローデータの整備が求められる方向である。 以上のような最新の状況に鑑みれば、規制動向を的確に踏まえ、実質的な作業期間を考慮に入れた早期の対応が喫緊の課題であり、かつ、効果的・効率的な対応につき、バーゼルⅡ対応における蓄積・知見も踏まえた検討が求められよう。 本講演では、バーゼルⅡ対応を含む豊富な経験を有する講師らの立場から、保険業界を巡る流れを概観し、様々な規制等の共通な部分と異なる部分を整理したうえ、上記複数の目標達成に向けた効果的かつ効率的な対応のための統合的なアプローチを紹介する。 |
詳細 |
1.保険会社に係る規制等動向 (1)ソルベンシーに係る動向 ~QIS5ほか欧米の動向、告示改正案ほか国内の動向 (2)IFRSに係る動向 ~金融商品会計、保険商品会計 (3)MCEVに係る動向 2.規制に係る重要なポイント ~BSの重視、保険価値の評価、その他 (1)規制間で共通な部分と異なる部分 (2)ソルベンシーⅡとバーゼルⅡとの類似性 3.内部管理としての方向性 (1)IFRSとMCEVが、ALMおよび管理会計に与える影響 (2)統合リスク管理(保険ERM)とエコノミックキャピタル (3)モデルリスク管理の重要性 ~市場リスク、保険リスクほか個別リスクとモデルリスク 4.業務・システム対応上の重要な論点 (1)リスクが“管理”されているとは? (2)統合的な管理のための包括的なフレームワークの選択 (3)規制対応と内部管理の整合性確保 (4)データ収集・蓄積の範囲・方法 5.バーゼルⅡへの対応経験等を踏まえた統合的アプローチ ~カギとなるデータ収集に要する多大な期間・負荷と早期着手の必要性ほか、 バーゼルⅡにおける実務対応上の多くの問題点などを踏まえて (1)全体構想策定(グランドデザイン)の重要性 (2)同時並行・スパイラルアップ手法を前提とするマスタープランの策定 6.質疑応答/ディスカッション 【ストック・リサーチ経営研究セミナー】 |
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