【金融実務基礎講座】リスク・セオリーの基礎 具体的なトピックにも触れつつ、理論の要点をわかりやすく解説 |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2010-12-09(木) 13:30~16:30 |
講師 |
日本アクチュアリー会 正会員 岩沢 宏和 氏 90年東京大学工学部計数工学科(数理工学)卒。同年三菱信託銀行(現 三菱UFJ信託銀行)入社。年金アクチュアリーとして数理業務にとどまらず企画業務、営業など幅広い部門で活躍。92年日本アクチュアリー会正会員資格取得(保険数学1、保険数学2成績優秀賞受賞(91年)、理事長賞・大館賞同時受賞(92年))。92年日本アクチュアリー会優秀論文賞受賞。98年三菱信託銀行退社。04年以降アクチュアリー関係を中心に多数の講座の講師を務める。06年各種知的サービス(パズル・デザイン、各種講師、翻訳)を提供する事業を「考房いわひろ」として開始。07年東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。リスク・セオリーを本格的な形で紹介する本邦初の一般向け著作として、『リスク・セオリーの基礎』(培風館、10年)を上梓。翻訳書として、パトナム『存在論抜きの倫理』(法政大学出版局、07年、共訳)ほか。パズル・デザイナーとしてはIPP国際パズル・デザイン・コンペティションで入賞3回(08年パズル・オブ・ザ・イヤー受賞)。 |
概要 | 本講義は現在、主に保険リスクの測定や管理等において国際的に標準的な理論となっている「リスク・セオリー」(risk theory、リスク理論)の基礎を解説するものである。 リスク・セオリーは「不確定な事柄」を扱い、特に、保険リスクを数学的に分析し、制御するためのさまざまな手段を検討することを目的とする。統計学、確率論の応用として極めて興味深い分野であるが、実務における有効性も高く、全世界の保険会社が必須の理論として認知しているものの、これまで日本にあまり紹介されてこなかった。 本講義では、保険の数理的側面に関心をもつ実務家や役職者、また、リスク管理その他の実務の要請等からこうした領域に関心をもつ方々を対象とする。 先ず、リスク・セオリーとは何かといった入り口の部分から、全体像等について紹介したうえで、代表的な具体的理論、トピックについて解説を加える。具体的な理論の解説の際には、(確率・統計分野で使われる基本的な記号を含む)数式も用いながら、基本的な結果(定理や手法)を示す。確率・統計等の知識のある方には理論の勘所まで一定程度把握することができ、必ずしも数学の得意でない方にも動機づけや有用性についての要点までをおさえられるレベルを想定する。数式を用いつつ、可能な限り例示やエピソードを交えることで、実感を伴った理解を得られることを目指すこととする。 |
詳細 |
1.リスク・セオリーとは何か (1)「リスク・セオリー」という言葉 ~北米と欧州での言葉の意味の違い、「リスク・セオリー」以外の呼び名、代表的な参考図書の紹介など (2)リスク・セオリーの課題の例 ~破産確率、信頼性理論 など (3)リスク・セオリーの歴史 2.日本におけるリスク・セオリー (1)アクチュアリーとリスク・セオリー (2)なぜ日本ではあまり学ばれてこなかったのか (3)リスク・セオリーを学ぶ意味 ~保険リスクを扱う場合の必須知識としての意義、実務への応用可能性 3.クレディビリティ理論(credibility theory、信頼性理論) ~リスク・セオリーの一大分野、保険料算定における重要概念としての「信頼性」 (1)クレディビリティ理論の歴史 (2)ビュールマンの方法 ~課題、定理、利用例、ベイズ推定との関係、応用可能性 など 4.リスクの測定 (1)リスク・セオリー外の議論 ~VaRに始まり、リスク尺度とは何か、特にコヒーレント性の議論 など (2)リスク・セオリー内の議論 ~保険料計算原理に関する議論の要点、公理的アプローチ、経済学的アプローチ など (3)リスク尺度の統一的表現 ~保険料計算原理に関する近年の議論の紹介を通して、リスクの測定に関する理論上の要点をおさえる 5.質疑応答 【ストック・リサーチ経営研究セミナー】 |
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