株式買取請求と買取価格決定申立てを巡る諸問題 近時の多数の事例、裁判所の判断などに基づいて解説 |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2011-03-03(木) 13:30~16:30 |
講師 |
TMI総合法律事務所 パートナー 中川 秀宣 弁護士 90年東京大学法学部卒業。92年弁護士登録(第一東京弁護士会)、長島・大野法律事務所(現 長島・大野・常松法律事務所)入所。97年シカゴ大学ロースクール法学修士(LLM)。98年ニューヨーク州弁護士資格取得。99年メリルリンチ証券会社東京支店、01年メリルリンチ日本証券、UFJストラテジックパートナー出向を経て、04年TMI総合法律事務所パートナーに就任、現在に至る。「持合株の放出に伴う買収懸念を巡る規制・ビジネス環境」(週刊金融財政事情、10年7月5日号)、「ファイナンス取引と倒産 第6回 REITと倒産」(NBL、10年6月15日号)、「M&A戦略と法務 プロキシーファイトの広まりが防衛策に与える影響」(MARR、07年6月号)、「会社法現代化がM&Aを変える」(週刊金融財政事情、05 年)ほか執筆、寄稿等多数。 |
概要 | 近時の市場環境の下、グループ内組織再編による上場会社の完全子会社化やマネジメント・バイアウト(MBO)による非公開会社化の波は2011年も続くと思われる。その手法についてはある程度画一化されたステップを踏襲することが要求され、事例の量産体制に入ってきた感がある。 しかし、少数株主に適正な経済的補償を行うための手続きとしての反対株主による買取価格決定の申立てと裁判所による決定は、未だ判断基準等で当事者に納得感や安定感を与えるレベルまで成熟していない。J-REIT再編においても反対する投資家に買取請求権が認められており、J-REITの再編事例の増加につれて同様の手続きが増えてくると考えられる。 本講演では、株式買取請求、買取価格決定申立てについて、買収・経営統合、グループ内再編、MBO、J-REIT再編等の近時の多様な事例、裁判所の判断なども踏まえて分析する。 |
詳細 |
1.株式買取請求権・買取価格決定申立の趣旨 (1)本来の趣旨 (2)実際の使われ方(争うことのメリットとデメリットの比較) 2.株式買取請求権行使の要件と手続き (1)要件と手続きの概要(総論) (2)組織再編における典型的スケジュールからみた行使できる株主の範囲 (3)簡易株式交換等における行使できる株主の範囲と基準日設定の可否 (4)マネジメント・バイアウト(MBO)等において 全部取得条項付株式を用いたスクイーズアウト手法を取る場合のスケジュールからみた行使できる株主の範囲 (5)単位未満株主の取扱い 3.買取価格の協議における留意点 (1)総論 (2)DCF法の算定に必要な事業計画等の開示の損得 (3)利息支払義務と仮払い申し出の損得 (4)複数株主との協議 4.買取価格決定申立ての手続き (1)要件と手続きの概要(総論) (2)主な争点 (3)当事者主義と鑑定の重要性 (4)価格決定における裁判所の裁量の範囲 (5)鑑定費用の負担 5.「公正な価格」の算定方法 (1)総論として、各事例に見る判断基準 (i)買収・経営統合 カネボウ/協和発酵キリン/テクモ (ii)グループ内組織再編 三共生興/日興コーディアル/インテリジェンス/楽天対TBS (iii)MBO等 レックス・ホールディングス/サンスター/サイバードホールディングス (2)裁判所は個々の取引の性質を当事者が考えるように理解してくれるのか? (i)TOBが先行して多数の株主が応募したことの評価はあるのか? (ii)裁判所の考える利益相反状況の有無とは? (iii)シナジー効果がある場合とない場合との差異は? (iv)支配権プレミアムは認められるのか? (3)考えられる対処方法 6.J-REIT再編時の反対投資主の買取請求権 (1)要件と手続きの概要 (2)J-REITでの「公正な価格」とは?(J-REITでは一物三価であることとの関係) 7.質疑応答/ディスカッション 【ストック・リサーチ経営研究セミナー】 |
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