金融ビジネスにおける事業継続マネジメント 進化するBCPとBCM、東日本大震災の教訓も踏まえて |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2011-09-13(火) 13:30~16:30 |
講師 |
有限責任あずさ監査法人 ビジネス・アドバイザリー事業部 シニアマネジャー 小林 到 氏 86年に大手信託銀行に入社後、国内外のフロントオフィスからバックオフィスまでの業務に幅広く従事。00年に外資系コンサルティング会社に転じ、金融機関(資産運用会社、信託銀行、証券会社等)に対する、ビジネスプロセス改善、システム導入等の要求分析・要件定義、プロジェクトマネジメントを多数経験した後、大手外資系資産運用会社において部門横断的な業務改善・システム導入案件のプロジェクトマネジメントを統括。KPMGに参画した後は、金融機関等に対して、内部監査支援、システム監査等のサービスを手掛ける一方、事業継続方針策定支援、BCP策定支援、BCPテスト支援、事業継続に係る社内教育支援など、事業継続マネジメントに関するアドバイザリーサービスを多数実施。公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)、プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)、社団法人日本証券アナリスト協会検定会員(CMA-SAAJ)。 |
概要 | 東日本大震災から数カ月を経過し、停電リスク対応を含め当面の対応は一巡したと思われる。今、金融機関等に要求されるのは、課題の総括だけではなく、更に一歩進めた具体的なBCP(事業継続計画)の改善であり、BCM(事業継続マネジメント)態勢の再構築である。 つまり、地震、停電、感染症といったリスクが発現する度に、情緒的に反応するという行動パターンから脱却し、BCM態勢の評価軸を明確に定め、継続的に体質を強化することでBCPの実効性を高めることこそが求められている。 BCPの論点としては、在宅勤務、バックアップシステム、バックアップオフィス等の個別施策の検討だけでなく、「重要業務」、「リスクシナリオ」等のBCPの根幹に関わる項目についても再検討が不可欠であろう。 また、リスクシナリオに強く依存した旧来型のBCPを作り続け、いたずらに文書量を増やすのではなく、「リソース被害」や「業務停止時間」といった共通項に着目し、複数あるBCPを構造化することで、メインテナンス性と実効性の双方を向上させる取組みが求められている。 BCMの重要論点としては、テスト・訓練がある。リスクシナリオはあくまでの仮置きの想定に過ぎず、実際に発現するリスク事象は想定外となるのが必然であろう。BCPを構造化し、テスト・訓練で検証を行い、BCP自体の成熟度と組織の習熟度を向上させる取組みこそが「有事において使えるBCP」の鍵を握るのである。 本講演では、金融機関等のBCPとBCMに関して豊富な経験を有する講師の立場から、東日本大震災の教訓を踏まえ、重要業務の選定アプローチ、個別方策の課題と具体的な改善策、BCPの実効性に対する評価、テスト・訓練の具体的な実施方法等の論点につき、参考事例や監督指針・ガイドライン等との関係を交えつつ、BCPの改善及びBCM態勢の再構築について実務に即し、具体的に説明する。 |
詳細 |
1.金融機関におけるBCPの改善 (1)BCP見直しの論点 ・重要業務の選定(対象範囲の拡大と業務の絞り込み) ・リスクシナリオの修正 ・在宅勤務への取り組み ・リソースのバックアップに関する考え方 (2)よく見られるBCPの体系、作成手法と問題点 (3)BCP構造化の考え方(集約化と詳細化のバランス) ・リソース被害に着目したアプローチ ・業務停止時間に着目したアプローチ 2.金融機関におけるBCM態勢の再構築 (1)BCMの現状と論点 ・BCPの実効性に対する評価 ・リスク管理と内部監査との連携 ・BCPテスト・訓練の重要性と問題点 (2)BCPテスト・訓練の具体的な実施方法 ・テスト計画策定、テストシナリオ作成における論点 ・ファシリテーション及びフィードバックの論点 3.質疑応答/ディスカッション 【ストック・リサーチ経営研究セミナー】 |
お問合わせ |
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