FinCENファイナルルール延期の米国への影響と日本の課題

~米国のマネロン規制~
受講区分 会場 ※本セミナーの会場開催は中止となりました。
オンライン ※本セミナーのオンライン開催は中止となりました。
開催日時 2025-10-15(水) 9:30~12:30
講師 株式会社ゆうちょ銀行
コンプライアンス部門統括役
木嶋 謙吾 氏

経歴:1989年3月中央大学法学部卒。1992年5月Duke LawSchool LL.M 卒。2000年9月~2004年9月ゴールドマンサックス証券株式会社エクイティコンプライアンス部長、2004年10月~2009年12月リーマンブラザーズ証券株式会社アジア太平洋地域コンプライアンス統括責任者、2010年8月~2012年5月シティグループ証券株式会社コンプライアンス本部長、2012年6月~2015年7月Citi Global Market(NY本店)でIT&Operationコンプライアンスグループの北米責任者、2016年10月~2018年10月株式会社Folioアドバイザー、2019年8月から同社取締役兼法務・コンプライアンス・リスク管理部長 、2017年9月~現在ゆうちょ銀行コンプライアンス部門統括役、2018年1月から2019年7月でJPインベストメント取締役兼コンプライアンス部長、2024年5月JPインベストメント取締役コンプライアンス部長退任し、コンプライアンスアドバイザーに就任、同時にゆうちょキャピタルパートナーズ取締役CCOに就任、2025年8月コンプライアンス部長兼務。

開催地 カンファレンスルーム(九段プラザビル2階)
概要 【本セミナーで得られること】
・米国FinCENファイナルルールに関する基礎的な知識と理解
・米国の最新状況と日本への影響の理解

【推奨対象】
金融機関の経営企画・法務・コンプライアンス・管理・内部監査部門の責任者・実務担当者

【概要】
FATFは2016年の第4ラウンド米国相互審査において、米国の銀行や証券会社が「Financial Institution」として厳格なAML義務を課されているのに対して、RIA等投資顧問業者がAML義務を課されていないこと自体が重大なリスクであると指摘しました。これは富裕な顧客等へのサービスを通じて違法資金が資金洗浄される懸念に基づくものです。
このFATFからの指摘を受けたFinCENは2024年8月28日にファイナルルール導入を発表しました。ファイナルルールはAMLプログラムルールと顧客確認プログラム(CIP)に大別されます。FinCENはRIAsとERAsをFinancial Institutionと定義することでRIA等投資顧問業者の銀行・証券会社レベルAML義務を課すことを含むルールを2026年1月1日から施行すると発表しました。
このAML義務強化の取り組みはバイデン前政権のAML/CPI・BOIの実務上の負担よりも透明性と規制遵守を優先するとともに、国際的なAML等対策基準との整合性を重視する政策から重要課題として推進されたました。政権を引き継いだトランプ政権は業界意見の反映に関してはSIFMA(米国証券業協会)など業界団体の懸念を積極的に考慮し、更には米国内企業への負担軽減重視、国際連携は重視しない政策により、ファイナルルールの施行を2028年1月に延期することに賛成しました。顧客確認プログラムの目玉である、BIO報告制度の導入が憲法上の理由で方向転換を余儀なくされたこともファイナルルール延期の主な理由等になりました。2024年12月3日、テキサス地方裁判所はCTA(Corporate Transparency Act)に基づくBOI報告義務の施行を全国的に差し止める判決を下しました。CTAに基づくBOI報告義務が米国内企業や米国人にも適用されることは連邦政府の権限超過やプライバシー侵害として違憲と主張されました。
本セミナーでは、ファイナルルールをめぐる米国の混乱は米国のAML管理態勢強化の方向性にどのような影響を与えるのか、更には日本にどのような影響を与えるのかについて解説します。
詳細 1FinCEN投資顧問業に対するファイナルルールとは(ファイナルルール)
(1)ファイナルルールの概要
(2)FATFによる指摘と対応
(3)ファイナルルールの要件
(4)ファイナルルールにおけるリスクベースのアプローチ

2.RIAsとERAsのAML義務に関する対応状況
(1)パンデミック以前のベンチャーキャピタルGPの状況
(2)当時の多くのベンチャーキャピタルGPがAML等プログラムを強化しなかった理由
(3)ベンチャーキャピタルGPネットワークの実情
(4)パンデミック前のCLOマネージャーの状況
(5)当時の半分のCLOがAML等プログラムを強化しなかった理由
(6)当時のAML等プログラム導入に消極的なCLOマネージャーの状況
(7)2024年8月のファイナルルール公表以降のベンチャーキャピタルGPの対応状況
(8)2024年8月のファイナルルール公表以降のCLOマネージャーの対応状況

3.ファイナルルールの延期
(1)ファイナルルールの延期の公表
(2)ファイナルルール延期の主な理由
(3)ファイナルルールと相互補完関係にあるBOI報告義務化の混乱と業界からの反発

4.バイデン政権とトランプ政権のファイナルールに対するアプローチの比較
(1)政権交代による影響

5.ファイナルルール延期の影響 
(1)ファイナルルール延期に関するRIAsとERAへの影響
(2)米国子会社・支店を持つ日本の金融機関への影響
(3)日本企業の米国でのM&Aや投資への影響
(4)BIO報告義務の日米比較
(5)ファイナルルール延期と日本への影響

6.質疑応答
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