【EXECUTIVE SYMPOSIUM】FATF第4次対日相互審査結果を踏まえた今後求められる金融機関のAML/CFTの実務対応

受講区分 オンライン
開催日時 2021-11-09(火) 13:30~16:10
講師 金融庁 尾崎 寛 氏
広島銀行 山根 洋 氏
弁護士法人中央総合法律事務所 國吉 雅男 氏

【尾崎 寛 氏】
1988年東京大学経済学部卒、三井銀行入行。1991年大蔵省出向(国際金融局調査課)、1993年外務省出向(在ワシントンDC日本大使館財務班)などを経て、2014年4月三井住友銀行欧亜中東本部中東総支配人兼ドバイ支店長、2017年4月三井住友銀行総務部 部付部長兼AML金融犯罪対応室長。
同行を退職し、2018年2月から現職。
資格 : ニューヨーク大学Stern School of Business(MBA)、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本安全保障貿易学会(CISTEC)会員、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科非常勤講師、Certified Anti-Money Laundering Specialist(CAMS)

【山根 洋 氏】
1989年広島銀行入行 基幹システムの開発、共同化、アウトソーシング企画を担当 2008年より外国送金審査強化などFATF第3次対日相互審査後の行内態勢強化に従事 2013年関連証券会社に出向、内部監査態勢構築に携わった後、2018年よりAML/CFT対応企画およびシステム企画、設計を担当、2020年より現職

【國吉 雅男 氏】
専門は、銀行法、保険業法、金融商品取引法、貸金業法等の金融規制法・金融法務分野全般 とりわけ反社会的勢力対応、AML/CFT対応等の金融機関のコンプライアンス事案を主に取り扱う 2011年7月より2013年12月まで金融庁監督局総務課に任期付公務員として勤務、2014年1月より弁護士法人中央総合法律事務所に復帰 金融庁では各金融業界の反社対応、マネロン対策等のコンプライアンス分野を主に担当
書籍 : 2021年「金融機関行職員のためのマネー・ローンダリング対策Q&A」(第3版)、2017年~2018年「マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対応最前線」【第1回~第10回】(銀行法務21)、主要講演として、2020年「FATF第4次対日相互審査の結果を踏まえたマネー・ローンダリング・テロ資金供与等対策の高度化(セミナーインフォ)ほか多数

概要 8月30日にFATF第4次対日相互審査結果が公表されました。
厳しい結果となった中、本邦金融機関へAML/CFT態勢の早急な再整備が求められています。
8月31日に公表された2021事務年度金融行政方針においてもマネロン等への体制強化についての言及がありました。
本シンポジウムでは金融庁 尾崎 寛氏の講演を皮切りに現状の課題の認識と今後の対応策について多角的視点から解説いたします。

【推奨対象】
金融機関の法務・リスク管理・コンプライアンス・監査部門、ITベンダー、マネー・ローンダリングに係る業務に携わる方等
詳細 【第一部】13:30~14:10
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策をめぐる国際動向及び我が国の対応

講師:尾崎 寛 氏

マネー・ローンダリング及びテロ資金供与(以下、ML/TF)対策では、入口となる本人確認、リスクの特定・評価、及び、その後のリスクに応じた継続的な顧客管理措置が非常に重要。
金融庁では、2021年2月19日に「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の二度目の改正を行った。主な改正内容としては、これまでに実施したモニタリングで把握した課題等をもとに、顧客リスク評価の明確化や、高リスク取引に対する追加的措置、簡素な顧客管理措置の考え方等について整理した。また、3月にはマネロン・ガイドラインに関するFAQも公表した。
さらに、国際協調の枠組みの中で、各国監督当局の管理・監督の目線は更に高まりを見せている中、2021年8月、国際的なML/TF管理の枠組みであるFATFによる第4次対日相互審査結果が公表された。
今後、この審査結果も踏まえながら、金融庁マネロン・ガイドラインに沿って、金融機関等のML/TF対策に関する監督・検査等の強化を図っていく。

1.マネー・ローンダリングとわが国の現状

2.FATFとその取組み

3.金融機関等におけるマネー・ローンダリング対策

4.金融庁の取組み

5.質疑応答

【第二部】14:15~15:00
FATF第4次対日審査結果を踏まえた広島銀行におけるAML対応

講師:山根 洋 氏

FATF第4次対日相互審査結果が発表され、同時に政府よりAML/CFTに関する行動計画が公表されました。政府の行動計画に記載され、国民全般への影響も考えられるマネロン罪の法定刑引上げ、実質的支配者情報の透明性向上について、銀行のAML第1線の視点にて現状を分析するとともに、今後について考察します。
また、金融機関にて優先して取り組むべきとされている、リスク評価の導入、リスクベースでの継続的顧客管理、取引のモニタリングについて、広島銀行の対応状況および今後の計画について解説し、継続的顧客管理については、顧客の情報更新からマネロン格付付与、CRMシステム表示を担うシステム概要についても紹介します。

1.FATF第4次対日相互審査結果の分析
(1) 評価結果および優先して取り組むべき行動
(2)政府行動計画

2.銀行第1線からの注目点
(1)マネロン犯の状況とマネロン罪の重罪化
(2)実質的支配者の登記

3.広島銀行における対応状況と今後の検討事項
(1)リスク理解度向上とリスク評価
(2)継続的顧客管理
(3)取引モニタリング

4.質疑応答

【第三部】15:10~16:10
FATF第4次対日相互審査報告書を踏まえた金融機関等におけるマネロン・テロ資金供与対策

講師:國吉 雅男 氏

2021年6月に開催されたFATF全体会合において、第4次対日相互審査報告書が採択され、8月30日にFATFより公表されました。日本に対する第4次相互審査はこの審査報告書の公表をもって新たなスタートを切ったといえ、5年後に予定されているフォローアップ評価に向け、既に財務省からは「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画」示されました。本セミナーでは、これらを踏まえ、今後金融機関に対し求められるマネロン・テロ資金供与対策の要点について解説します。

1.対日相互審査報告書が示唆する日本の課題
(1)事業者毎のリスク評価の導入・実施
(2)顧客管理措置の実行、高度化
(3)CDDデータと取引モニタリングを統合した情報システムの導入
(4)正確かつ最新の実質的支配者情報の入手、活用
(5)対応完了期限を明示したギャップ解消策の着実な実行
(6)監督当局による行政処分、制裁の強化

2.マネロン・テロ資金供与対策・拡散金融対策に関する行動計画に基づく対策の高度化
(1)マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策の監督強化
(2)金融機関等のリスク理解向上とリスク評価の実施
(3)金融機関等による継続的顧客管理の完全実施
(4)取引モニタリングシステムの共同システムの実用化
(5)実質的支配者情報の透明性の向上

3.質疑応答
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