生命保険会社における経済価値ベース経営管理の導入 エンベディッドバリューの見直しを巡る動きと経済価値ベースの価値・リスク評価 |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2008-07-30(水) 13:30~16:30 |
講師 |
キャピタスコンサルティング株式会社 マネージングパートナー 松平 直之 氏 東京海上火災保険(現 東京海上日動火災保険)にて、主に生命保険部門の主計業務(財務会計、収益管理、保険数理)に携わった後、ティリングハスト-タワーズペリンおよび投資銀行にて、生命保険会社の企業価値評価、収益管理、ALM、損害保険会社の資本十分性検証、再保険戦略検証、銀行の信用リスク計測、全社的収益・リスク管理等に関するコンサルティング業務を行い、07年1月に、金融機関および事業法人に対して財務・リスク管理に関するアドバイスを提供するキャピタスコンサルティング株式会社を共同設立。94年東京大学工学部計数工学科卒業。日本アクチュアリー会正会員、日本証券アナリスト協会検定会員。著書・寄稿として『金融機関の市場リスク・流動性リスク管理態勢』(金融財政事情研究会、共著)、「生保の企業価値とリスクの測り方」(週刊金融財政事情、共著)がある。 |
概要 | エンベディッドバリュー(EV)は、生命保険会社に対する価値評価の代表的な手法として1990年代以降に欧州を中心に普及してきたが、2000年頃から様々な問題点が指摘されてきており、それを受けて、金融理論との整合性の観点からEVの計算手法を見直す動きが広がっている。 一方で別の動きとして、会計基準および健全性基準に関しては、保険会社のバランスシートを経済価値ベースで把握するという国際的潮流が出来上がりつつある。また、格付機関による評価や戦略的なリスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)においても経済価値ベースでの評価手法が取り入れられるようになってきており、経済価値ベースでの生命保険会社の経営管理の必要性がますます高まっていると言える。 しかしながら、国内、海外のいずれにおいても、EV見直し、会計・健全性基準、収益・リスク管理といった互いに関連する個々の事項が、必ずしも共通の枠組みのもとで整合的にとらえられていないのが現状であると思われる。 本講演では、最初にEVに関する基本的事項として、その歴史や計算の考え方、実務での具体的な計算ステップを確認する。次に、欧州における2000年以降のEV見直しの動きを概観したうえで、経済価値ベースでの価値・リスク評価に関するその他の国際的動向を解説し、EV見直しとの関係を整理する。最後に、企業価値向上のための戦略的な経済価値ベース収益・リスク管理の導入にあたって、EV、健全性基準およびその他の経営管理指標をいかに整合的な枠組みでとらえていくか、また、それらを保険会社の健全性確保・企業価値向上のための経営管理においていかに活用していくかを議論することとする。本年6月に欧州で公表されたMCEV原則の内容の解釈についても、可能な限り言及する。 |
詳細 |
1.エンベディッドバリュー(EV)に関する基本的事項の再確認 (1)EVの歴史 (2)EVの基本的な考え方および構成要素ごとの計算方法 (3)実務における具体的な計算ステップ 2.EV見直しの動きとEEV(ヨーロピアンEV)原則 (1)伝統的なEVに関して指摘されてきた問題点 (2)EEV原則の概要 (3)欧州各社による実際のEEV開示内容の比較 3.経済価値ベースの価値・リスク評価に関する国際的動向 (1)会計基準およびソルベンシー基準に関する国際的動向 (2)市場整合的な保険負債評価の考え方 (3)MCEV(市場整合的なEV)と経済価値ベースのBS評価との関係 4.経済価値ベースでの経営管理の枠組み (1)企業価値向上のための戦略的な収益・リスク管理の考え方 (2)欧米でのERM(Enterprise Risk Management)の動向 (3)EV、健全性基準およびその他の経営管理指標の関連付けの考え方 5.質疑応答/ディスカッション 【ストック・リサーチ経営研究セミナー】 |
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