国際協力銀行における最新の取組みとエネルギー資源確保・グリーン投資支援に向けた戦略的対応 国際金融危機がもたらすパラダイムシフトを受けて |
受講区分 | 会場 |
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開催日時 | 2009-08-26(水) 13:30~16:30 |
講師 |
株式会社日本政策金融公庫 国際協力銀行 国際経営企画部長 前田 匡史 氏 80年東京大学法学部卒。財務省国際金融局投資第二課係長(出向)、日本輸出入銀行総務部調査役、同行ワシントン駐在員、OECD首席交渉代表、国際協力銀行国際金融第二部次長、特命審議役、資源ファイナンス部長等を経て現職。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)客員研究員(ワシントンD.C.)兼務。様々な国際問題に関して国会議員のアドバイザーを務めるほか、米国国家情報委員会(NIC)主催の北東アジア安全保障多国間協力ワーキンググループに携わる等、多くの国際舞台で活躍している。近著として『国家ファンド』(PHP研究所、09年)、『詳解 イスラム金融』(亜紀書房、08年)など。 |
概要 | 世界的な金融危機の発生に伴い、国際金融市場の混乱は当初の想定を超えて長引くことが予想され、わが国企業の資金調達も困難な状況が続いている。国際協力銀行は80年代のラテンアメリカの債務危機、90年代後半のアジア通貨危機における機動的な支援を経験し、IMFや世界銀行グループとの連携にも十分な実績があるが、今回の国際金融危機は100年に一度という未曾有のものであり、アジア通貨危機時の対応と同様の対応で済むものではない。 本講演では、ブレトンウッズ体制の限界も視野に入れつつ、アジア通貨危機の教訓をどのように生かすのか、米国オバマ政権の対応や中国の台頭を踏まえ、わが国に求められる戦略的対応とは何かについて解説する。 さらに、身近な問題として最近の朝鮮半島の不安定化を踏まえ、北東アジアの安定と持続的経済発展のための「北東アジア協力開発銀行」設立に向けた中国、韓国等の関係者の取組みについても簡単に紹介する。 そのうえで、国際金融危機の結果、資本に代わって国際金融市場の主役に躍り出た「国家ファンド」の動きを解説しつつ、わが国にとって死活的に重要なエネルギー・鉱物資源の確保や次世代のエネルギー源である新エネルギー開発・グリーン投資に向けた国家として求められる戦略的対応について講師の私見を紹介する。 |
詳細 |
1.アジア通貨危機と今回の国際金融危機の比較 (1)アジア通貨危機の教訓に基づくこれまでの施策 ・ABMIによる債券市場育成 ・チェンマイ・イニシアティブとIMFコンディショナリティ ・貿易金融によるセーフティネット構築 ・途上国銀行資本増強ファンド (2)IMF改革の方向性とわが国のとるべき戦略 ・IMFは資本不足か ・IMFコンディショナリティとアジア諸国の嫌悪感 ・アジア共通通貨単位導入の可能性 (3)北東アジアの安定と新たな地域開発機関の必要性 ・ライス国務長官による「北東アジア多国間フレームワーク構想」 ・「北東アジア協力開発銀行」構想に邁進する中国天津市政府 ・日本の地方と北東アジア・クロスボーダープロジェクト 2.「国家ファンド」の台頭とわが国の戦略 (1)国家ファンドの類型→保守的ファンドと国家戦略ファンド (2)中国のエネルギー資源戦略と最近の動き (3)国家ファンドに対する欧米の対応 (4)サンティアゴ原則とは何か (5)次世代のための戦略投資 ・アブダビ首長国の戦略 ・マスダール計画 (6)わが国に必要な「国家戦略ファンド」 3.質疑応答/ディスカッション 【ストック・リサーチ経営研究セミナー】 |
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